姉妹は続けて教えを説きました。
「全能神の御言葉から、神がなさる働きの各段階は、堕落した人類の必要に応じて実行されるのだとわかります。律法の時代の末期、人はサタンによってますます堕落させられ、いっそう多くの罪を犯していました。ヤーウェの律法を破り、石打ちの刑に処されて天の火に焼かれる危険に直面したのです。神は人類を愛していらっしゃいます。神は罪深き肉に似せて自ら受肉され、十字架にかけられて人の罪を贖われました。よって主イエスを信じる限り、私たちは救われます。主は私たちの罪をご記憶なさいません。私たちは直接神の御前に出て神に祈り、神が授けてくださる豊富な恵みを享受することができます。しかし贖われたといって、私たちが罪なき存在になった証明にはなりません。私たち人類は数千年にわたりサタンによって堕落させられてきました。そしてサタンの害毒が私たちの中に深く根づき、私たちのいのちとなり、本性となったのです。私たちは自惚れや傲慢、欺瞞や不実、独善や卑劣、貪欲や邪悪といったサタン的本性に支配されています。それに依然として頻繁に嘘をつき、騙し、罪を犯し、神に抵抗することができます。そのことは、私たちが絶えず罪を犯してはそれを告白するという繰り返しの中で生きていることの根源です。ですから、堕落した人類が必要とするものと、人類をお救いになる神の経営計画をもとに、神は私たちを清めてその堕落した性質を変えるべく、人を裁いて罰する終わりの日の新たな段階の働きをなさるために到来なさいました。そして最終的に、神は十分な救いを得て完全にされた人を天国へと導かれるのです。依然として『一度救われた者は永遠に救われる』という観念に固執し、終わりの日における神の裁きの働きを拒むなら、私たちの血に流れるサタンの害毒が清められることは決してなく、私たちが神の完全な救いを得ることも決してありません。天国に引き上げていただくなどもってのほかです。これらがもたらす結果は非常に重大なものです。ゆえに終わりの日であるいま、恵みの時代をあとにして全能神による終わりの日の裁きの働きを受け入れることでのみ、人は徹底的に清められ、神の完全な救いを得て、良き終着点に行くことができるのです」
姉妹が説く教えを聞きながら、私はこう考えました。
「そうよ。全能神の御言葉はとても実践的だわ。ここ数年、私はいつも日中に罪を犯して夜にそれを告白する生活を送ってきたんじゃないかしら。私たちは主への信仰のおかげで罪を赦されただけで、罪深い本性はまだ残っている。依然として罪を犯し、神に抵抗できるのよ。主は聖くていらっしゃるのだから、頻繁に罪を犯して主に抵抗する人がどうして天国に引き上げていただけるだろう。全能神の御言葉が、長年心にのしかかっていたこれらの問題を解きほぐしてくれた。全能神の御言葉には、私たちが求めるべき真理が確かにある。それは、全能神が本当に再臨された主でいらっしゃるということなのかしら。きちんとそれを調べる必要があるわ」
私は徐々にこの姉妹に対する警戒心を解いていきましたが、話し合った内容について調べようと思った瞬間、ドアを必死にノックする大きな音が突然聞こえました。胡姉妹がドアに駆け寄ると、牧師が部屋に入ってきました。その牧師はまず私を見て、次に全能神の国の福音を説いている姉妹のほうに目を向けると、驚きと怒りに満ちた口調でこう言いました。
「君はここで何をしているんだ。見知らぬ人間の説教を聞いてはならないと言わなかったか。それなのに、ここでこの連中の話を聞いているのはどういうわけなんだ。いますぐ家に帰りなさい。二度とこの連中の話に耳を傾けてはだめだ。騙されたら後悔しても手遅れだぞ!」
牧師は私を叱ったあと、今度は姉妹のほうを向いてこう脅しました。
「東方閃電を宣べ伝えているお前たちがやっているのは、私たちの教会に来て信者を盗むことだけだ!いますぐここから出て行け。お前たちが出て行かないなら、私にも考えがあるぞ!」
姉妹に対する牧師の接し方を見た私は大いに嫌悪を感じ、このように言いました。
「牧師さん、この姉妹は本当にいいことを言っていただけで、その内容は聖書と合致しています。私も、全能神が再臨された主イエスだというのは本当のような気がします。あなたも話を聞いて、そのうえで判断してはどうですか。それに聖書にも『旅人をもてなすことを忘れてはならない。このようにして、ある人々は、気づかないで御使たちをもてなした。』(ヘブル人への手紙13:2)と書かれていませんでしたか?主を信じる私たちは愛情を示すべきで、こんな風に人を扱うことはできません。このようにして姉妹を追い出すことは、主の教えに反していないでしょうか」
私がそのように言うのを聞いた牧師は、「君に何がわかるというんだ。イエスを信じている私たちはすでに救われている。再び救われる必要などない!連中は信者を盗もうとしてここにやって来た。だから連中を受け入れてはならない!」と私に向かって怒鳴りました。このとき、福音を福音を宣べ伝えていた姉妹が微笑みを浮かべ、「私たちはみんな主の再臨をお待ちしています。座ってお話ししませんか。主の再臨を逃すと、とても後悔することになります……」と言いましたが、姉妹が言い終わらないうちに牧師は姉妹を追い立て、「黙れ!お前がどんな立派なことを話したとしても、聞くつもりはない!すぐに出て行け!」と言いました。そしてその言葉通り、牧師は姉妹を家から追い出そうと、押したり引いたり暴言を吐いたりしました。姉妹が家から出ると、牧師は私の所に戻ってきてこう脅しました。
「いますぐ家に帰りなさい。今後は東方閃電の連中と二度と接触してはいけない。接触したら君を教会から追放する。そうなったら主に讃えていただき、天国に入る機会を失うんだぞ」
私はすでに姉妹が説いた教えを聞いていたので、主イエスの働きは贖いの働きであって人を清める働きではないこと、そして主は終わりの日にお戻りになって裁きの働きをなさってはじめて、人を徹底的に清めてお救いになることを理解していました。終わりの日における神の裁きの働きを受け入れなければ、人の堕落した性質は変わらず、神の完全な救いを得て天国に入ることはできません。そのため、牧師の言葉は私に大した影響を与えませんでした。私はそれを聞き流し、うなずいて賛成した振りをしてから家に帰りました。
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